【ネタバレ】映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を観てきたので、評価してみる【感想】

2019年8月2日に公開された、映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を今更ですが観てきたので、少し感想とかを書いてみようと思います。私は、この映画のベースになっている「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」をオリジナル版(スーパーファミコン版)含めてプレイ済みですが、映画コメンテーターではないので悪しからず。公開直後から賛否両論あったみたいですが、レビューやネタバレは一切見ずに、本映画を観てきました。
以降、ネタバレを含むのでご注意ください。
ドラゴンクエストV 天空の花嫁
ドラゴンクエストのナンバリングタイトルの中でも、5作目の「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」は人気最上位の作品だと思います。親子三代に渡るストーリーで、父親の死や奴隷生活を過ごすといった辛い場面が多々あります。一方で、ゲームシステム的には、モンスターが仲間になるシステムや、クリア後の隠しダンジョンが初めて導入された作品でもあります。
そして何より、この作品の最大のイベントは「主人公の結婚」ですよね。今でも議論になりますが、結婚相手を「ビアンカ」と「フローラ」の2人から選ぶという、究極の選択をしなければなりません。DSのリメイク版ではさらに嫁候補が増えます。
そんな人気作品であり、私自身も個人的に思い入れの強い「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」がベースになっている映画ですので、気になって観て来ました。
観終えた瞬間の感想
物語の序盤(幼年期)をすっ飛ばし過ぎていた感もありつつ、終盤まではそこそこ良い感じで観ていましたが、最後のオチが本当にゴミでした。コレが率直な感想です。喜劇でもないのに、リアルに声を出して笑いました。こんな体験、人生で初めてかもしれません。
良かった点
ドラクエの音楽はやっぱり最高
ドラクエといえば、「すぎやまこういち」さんの音楽。何度かコンサート(もっぱらⅢ&Ⅴ)に足を運んだことがありますが、本当に最高。音楽だけをとっても、Ⅴは「地平線の彼方へ」「天空城」「聖(ひじり)」「死の塔」などの個人的に好きな曲が多いので、Vの音楽を聴けただけでも満足。ちなみに、Ⅴだけではなく、同じ天空シリーズのⅣやⅥの曲も使用されていました。この映画の1番良いところは音楽だと言っても過言ではないと思います。映画館に音響の良し悪しがあるなら、良いところで観る(聴く)のが良いかもしれません。
思っていたより映像が綺麗
まず、サンタローズの雪景色が綺麗。スライムのスライム感やメタルハンターの金属感、そして、ブオーンのモフモフ感など、モンスターが思っていたよりもリアルだった。CGに対する自分の認識が古いのかな。でも、人間キャラクターは綺麗すぎて、人間ぽくなかった感じ。でもトータルで、映像は良い部類だと思います。
フローラがイイ女
ブオーン討伐後、主人公がフローラにプロポーズする流れになります。ところが、宿屋で出会った占い師に「自分の本心を覗ける薬」をもらい、それを飲んだ結果、自分の気持ちがビアンカにあることに気付く主人公。その後、フローラとの婚約を破棄し、ビアンカにプロポーズして結婚します。
実は、この薬を渡した占い師の正体は、フローラだったんですね。呪文(モシャス)で占い師に化けていたようです。主人公のビアンカへの気持ちに気付いたフローラの行動でした。とても切ないけど、何か良い。
ドラクエⅤの嫁論争に正解はないので、映画版ではどちらを選ぶのか、一番の注目ポイントでした。こんな展開があるんだなと思って観てたんですが。後々になって考えてみると、主人公&フローラ&ビアンカの3人が絡むシーンで、フローラの表情から読み取れた人もいるかもしれませんね。
悪かった点
最後のオチ
何度も言うけどゴミ。ホントにこれに尽きる。ゲマ討伐後、魔界の門に向かって天空の剣を投げることで大魔王ミルドラースを魔界に封印できるという流れになり、「大魔王と戦わず(姿さえ見せず)に、空に向かって武器を投げて終わるのよ」と少し消化不良感があったんですが。そんな消化不良な気持ちすら、吹っ飛ぶ結末が。
いきなり時間が止まり、CGのテクスチャが剥がれて、物質が分解されていく…
どういうことなのか、理解が追いつかない。
実はこの物語そのものが、主人公(サラリーマン)がVRゲームで体感している仮想世界の出来事だったというオチ。最後に出てきた大魔王っぽいキャラクターが「コンピュータウィルス」だったり、スライムが「アンチウィルスプログラム」だったり、これまでの冒険の流れが全部ぶっ壊れます。
さきほどの「CGのテクスチャが剥がれて~」はコンピュータウィルスが原因だったようです。
ちなみに僕は、スライムが「アンチウィルスプログラム」だったところで、さすがに吹き出しました。
幼年期がダイジェスト
これも結局、この物語がVRゲームだったことに帰着するのですが。幼年期の話は、スーパーファミコン版の映像がダイジェストで流れたのみでした。ビアンカと結婚するにもかかわらず、 後に嫁となるビアンカと幼年期にレヌール城でお化け退治した、思い出のエピソードをカットするとは。なので、「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」をプレイしていないと、物語の流れや背景が分からないかもしれません。基本的には、ゲームをプレイ済みの人をターゲットにしているのかな。
ブオーンの扱いに違和感
「ブオーン」と言えば、ゲーム内では青年時代後期に立ちはだかる強敵です。しかし、今回の映画版では序盤(初回のサラボナ到着後、つまりは結婚以前)で戦って一度は敗北しますが、すぐに再戦して、割りとあっさり勝利(服従させる)します。ゲーム内のブオーンに苦戦したプレイヤーも多いと思われるのですが、そんな思い出に浸ることは無かったです。映画版でも強敵として描いて欲しかったです。
ちなみに映画版では、ゲマとの最終決戦において、主人公(人間)側に助太刀してくれます。ゲームのリメイク版だと人間サイズにまで縮んで、鼻水を垂らしている姿の「プオーン」が仲間になりますが、巨大なサイズのまま援護してくれます。これは強い。
終わりに
もしも、今回の映画が、ゲームと同じ展開・結末だったとして、ゲームをプレイ済みの人間がそれで満足したかどうかは、もはや分かりようがないです。しかし、本映画の「実はゲームだった」という結末(オチ)は、ホントにゴミとしか言いようがない。炎上商法を狙っているのかと思うほど。
既にSNSをはじめ、色んな所で賛否両論が流れてきて、気になって先にオチを調べた結果、観に行く予定だったけど止めたという人は、逆に観に行って欲しいです。最後の最後で笑顔になること間違いなし、ホントにゴミだけど。
ここまで感想を書いてみた私ですが、もう1回観てみると、また感想も違ってくるかもしれないので、また観に行こうと思います。
それでは。