【ポケモンGO】特殊個体を分かりやすく説明します【ブレイクポイントとは?SCPとは?】
ポケモンGOでPvP&バトルリーグをしている方なら一度は聞いたことがある「ブレイクポイント」「ブレイク個体」「特殊個体」という言葉。
今更ですが、これらを分かりやすく説明します。
個体値の厳選を始めたばかりの方にも分かるように、細かいことは省略して、ざっくりとイメージを掴んで頂ければと。
また、「特殊個体(ブレイク個体)を厳選するべきか?」についても述べます。
ポケモンGOにおける「SCP」や「ブレイク」の概念を既に理解している方も居ると思うので、その方に向けて、先に結論だけ言います。
特殊個体(ブレイク個体)を厳選する必要はありません。SCP準拠の個体で十分です。
詳細はこの記事の本文で、順番に説明していきます。それでは、どうぞ。
ポケモンGOにおける個体値
ポケモンGOの個体値は、原作と違って「こうげき」「ぼうぎょ」「HP」の3つから成ります。それぞれ、0~15の16段階。また、素早さの概念が無く、特殊・物理の区分もありません。
対人戦(PvP)が始まる前は、上図のように、「こうげき」「ぼうぎょ」「HP」が全て15である個体が強いポケモンとされていました。いわゆる「100%個体」と呼ばれるものです。
CP制限リーグとSCPの概念
3つのリーグについて
ポケモンGOで対人戦(PvP)が始まった際、3つのリーグが実装されました。
3つのリーグには、参加できるポケモンのCP制限に違いがあります。CP制限は、上から順に「1,500以下」「2,500以下」「無制限」です。
マスターリーグはMAX強化で良い
このうち、3番目の「マスターリーグ」については、CP制限がありません。よって、マスターリーグに参加させるポケモンは、100%個体を最大レベルまで強化するのが理想です。
これは、言うなれば、レイドバトルで使用するポケモンと同じ感じで育成すれば良いので、イメージがつきやすいと思います。
制限があるリーグではMAX強化はダメ
「スーパーリーグ」と「ハイパーリーグ」については、それぞれCP制限が設けられているため、MAX強化すると制限値を超えるポケモンは、強化を途中で止めておく必要があります。
上図のように、「ギャラドス」は何も考えずにMAX強化すると、CPが「3,300」を超えます。ここまで強化してしまうと、「スーパーリーグ」や「ハイパーリーグ」に参加できません。
よって、例えば、「ハイパーリーグ」に参加させたい場合は、「2,500(または、2,500以下の近い値)」で強化を止めておきます。
このとき、「いかに効率良くCPを制限値近くまで強化できるか」は、個体によって異なります。
SCPの概念について
ゲーム内で確認できる「CP」とは別に、「SCP」という概念があります。これは原作で言う、「個体値」や「努力値」と同じで、非公式の数値であり、ユーザ(プレイヤー)が独自に考えたもの。
「SCP」を簡単に言うと、CP制限がある「スーパーリーグ」「ハイパーリーグ」で、ポケモンの強さを表す数値だと思ってください。
さきほどの「効率良くCPを制限値まで強化できる個体」は、「SCPが高い個体」と言い換えることができます。
そして、「SCPが高い個体」は、上図のように「耐久寄りの個体」を指します。
これは、少し上に貼った「CP2,500のギャラドス」の個体値ですが、「0-15-14」という、完全に耐久寄りの個体となっています。
「ハイパーリーグ」に参加する「ギャラドス」の場合、この「0-15-14」がSCP最大となります。
つまり、「0-15-14」が、1番効率良く制限値である「2,500」まで強化できる個体です。
「耐久寄りの個体の方が、強さを表すSCPが高くなる」と覚えてください。
ここで注意したいのが、全てのポケモンで、耐久寄りの個体が最適というわけではありません。
例えば、「ハイパーリーグ」における「ブラッキー」を考えてみます。
「ブラッキー」の最大CPは「2,416」であり、もともと2,500以下なので、オール15(15-15-15)の個体をMAXまで強化するのが最適となります。
MAX強化した際、CP制限値を超えるポケモンは、耐久寄りの個体が良いということです。
特殊個体(ブレイク個体)について
ブレイクポイントとは
まず、「ブレイクポイント」を説明します。
攻撃側からすると「与えるダメージが+1」することを「ブレイクする」と言い、防御側からすると「受けるダメージが+1」することを「ブレイクされる」と言います。
この「ダメージ量が1変わる境界」を「ブレイクポイント」と呼びます。
まだ何のことか分からないかもしれませんが、「ダメージ量が変わる境界」と覚えてください。
特殊個体(ブレイク個体)とは
ここまで、前置きが長くなりましたが、いよいよ「特殊個体(ブレイク個体)」についてです。
最初に、簡単に言ってしまうと、さきほどの耐久寄りの個体とは逆です。
「攻撃寄りの個体」のことを「特殊個体(ブレイク個体)」と呼びます。
以降では、カッコ書きせずに「特殊個体」と統一して記載します。
上図は「15-14-0」という個体ですが、この形だけが「特殊個体」ではありませんので、ご注意ください。ポケモンによって、異なります。
また、攻撃寄りの個体になっているため、ポケモンの強さを表す「SCP」は当然低くなります。
ここでは「特殊個体は、強さを表すSCPが低くなる」と覚えてください。
すると、以下のように、疑問に思われる方もいるでしょう。
「SCPはポケモンの強さを表す数値」と言っていたのに、SCPを下げてまで、特殊個体を使うメリットはあるのか?
今度はメリットについて、対戦のシミュレーション結果を見ながら、説明していきます。
特殊個体のメリット
今回は「みんポケ」さんの「PvPシミュレータ」を利用させて頂きました。
「スーパーリーグ」における「チルタリス」と「マリルリ」の対面において、チルタリス側が「SCPが高い理想個体」と「特殊個体」の2パターンでシミュレートします。
2020年12月からPL41以上が開放になり、バトル環境にも変化がありました。ですが、今回のシミュレーションは、それ以前の仕様(最大PL40、相棒込みでPL41)で説明しています。
旧仕様前提の説明でも、特殊個体を使うことによって「どういう逆転現象が起こるか?」は理解して頂けるはずです。
例1:SCPが高い理想個体の場合
2匹のポケモンの個体値は上図の通り。2匹とも「SCPが高い、耐久寄りの個体」ですね。攻撃の個体値を下げており、「チルタリス」に至っては「こうげき個体値が0」です。
また、前提条件として、チルタリス側はシールド2枚、マリルリ側はシールド1枚とします。
チルタリス側がシールド1枚分多い、有利な状況と考えてください。
シミュレーション結果は、以下の通り。
ポケモンのタイプ相性に詳しい方、スーパーリーグで対戦したことがある方であれば、想像がついたかもしれませんが、「マリルリ」が勝ちます。ここでのポイントは、以下の3点です。
ポイント①
チルタリスのSCPが「1,697」である。
ポイント②
チルタリスの「りゅうのいぶき」のマリルリへのダメージが「1」である。
ポイント③
チルタリス側がシールド1枚分有利でも、タイプ的に有利なマリルリが勝つ。
もともとタイプ相性的にマリルリが有利であるため、チルタリス側がシールド1枚有利な状況であっても、マリルリが勝つ結果となりました。
例2:特殊個体の場合
次に、「マリルリ」は同じ個体ですが、「チルタリス」を特殊個体に変更してシミュレーションします。「チルタリス」は「15-9-2」という攻撃寄りの特殊個体になっていますね。
「SCPは強さを表す数値」だと散々言ってきました。さきほど、SCPが高い個体(数値的に強い個体)で負けたチルタリス側が、SCPを下げた個体(特殊個体)に変更したら、さらに惨敗するのではないかと思いませんか?
それでは、特殊個体のチルタリスを使用した結果を見てみましょう。
なんと!
チルタリス側が勝ちます!
同じように3つのポイントを見ていきます。
ポイント①
チルタリスのSCPが「1,617」に下がっている。理想個体のときは「1,697」だった。
ポイント②
チルタリスの「りゅうのいぶき」のマリルリへのダメージは「2」に増えている。
ポイント③
チルタリス側がシールド1枚分有利であれば、相性的な不利を跳ね返して、チルタリスが勝つ。
SCPを下げたことでチルタリス自体の強さは低下しましたが、攻撃寄りの個体を使用したことで、通常技「りゅうのいぶき」のマリルリへのダメージが「1→2」に増えました。
このようにダメージ量が増えた境界(または、この状況のこと)を「ブレイクポイント」と呼び、チルタリス側からは「ブレイクした」、マリルリ側からは「ブレイクされた」と言います。
「りゅうのいぶき」は発動が早く、高速連打が可能な通常技であるため、ダメージが「1→2」に増えたことで、マリルリに与えるダメージ総量も増え、結果的に苦手なマリルリに勝てます。
当然、チルタリス側がシールド1枚分有利な前提ではありますが、チルタリスでマリルリを返り討ちにできる点は非常に大きいですね。
ちなみに、このように「マリルリ」への「りゅうのいぶき」のダメージが「2」に上がった「チルタリス」のこと「2チル」と呼ぶ方も居ます。
【追記】2チルは絶滅しました
2020年12月以降、PL41以上の開放により、マリルリの耐久値が上がりました。いわゆる、アメXLによるムキムキ化です。(ムキマリの登場)
これにより、攻撃特化のチルタリスを採用しても、りゅうのいぶきがマリルリにブレイクすることはなくなりました。
前述したように、ここでのチルタリス・マリルリのシミュレーションは、特殊個体(ブレイク)の説明のためだけと思ってください。
特殊個体のデメリット
このように、苦手な対面でも返り討ちにできる可能性があるのであれば、基本的に「特殊個体」を使用すれば良いのでは、と思うかもしれません。
しかし、そうではありません。
「ブレイクポイント」は、
「チルタリス」から「マリルリ」への「りゅうのいぶき」のダメージ量が「1→2」に増える
のように、①攻撃側のポケモン、②防御側のポケモン、③攻撃技、の3つセットで考えます。
つまり、メリットを受けるのは、特定の条件下のみです。
特殊個体のチルタリスの場合、対マリルリの強さは上がりますが、それ以外のポケモンとの対面を考えるとSCPが高い(耐久寄りの個体)方が有利です。
特殊個体のまとめ
ポイント①
特定ポケモンに対してのみ、強くなる。
ポイント②
特定ポケモン以外に対しては、弱くなる
つまり、さきほどの特殊個体のチルタリスは、
マリルリに対してのみ強くなるかわりに、その他大勢のポケモンに対しては弱くなった
と言えます。
マリルリに強くなったとしても、それ以外の大勢のポケモンに弱くなってしまうことに価値はあるでしょうか?
まず、答えとしては「価値はある」です。
マリルリはスーパーリーグでの採用率が高いポケモンであり、対面する機会も多い。そのマリルリに強くなることは、勝率を上げることにも繋がります。
しかし、だからと言って、無理に特殊個体のチルタリスを厳選する必要はありません。
その理由は、この後、説明していきます。
特殊個体の厳選について
最後に、特殊個体を厳選した方が良いのかどうか、その理由について書きます。
特殊個体は厳選しなくて良い
先に結論を書くと、
日常生活を犠牲にしてまで、わざわざ特殊個体を厳選する必要はありません。
個人的には「捕獲したポケモンが、たまたま特殊個体だったらラッキー」くらいに思うのが良い。
対人戦(PvP)の初心者~中級者は特に。
理由は大きく3つあります。
知識・経験の方が大事
ポケモンGOの対戦において、特殊個体かどうかの違いが、勝ち負けに影響する割合なんて、ほんの僅かだと考えています。
そもそも個体値自体、そこそこの厳選で良い。
原作のように、お互いが1ターンに1つの技を指示する方式であれば、少なくとも「素早さ」の個体値だけは最低限こだわった方が良いです。
なぜなら、相手より素早さが1でも高ければ、先に行動できるから。
しかし、ポケモンGOには「素早さ」の概念がなく、タップだけで技を繰り出したり、ポケモンを交換したり、スピーディーにバトルします。
特殊個体の厳選することよりも、「知識」「経験」「テクニック」の方が要求されます。
技のカウント、ゲージ管理、交代受け、即座の判断力、ダメージ感覚、これらの方が圧倒的に重要。
別の記事でも書きましたが、ひたすら対戦経験を積む方が、勝つための近道だと思っています。
よって、個体を厳選する暇があれば、バトルリーグに潜って対戦経験を積んだ方が良い。
そこそこSCPが高い個体で十分
先で述べた通り、特殊個体は「ある特定のポケモン(仮想敵)に対してのみ、強く出れる」ため、そのポケモンと遭遇しないと無意味ですよね。
対戦で頻繁に採用されるポケモン(強ポケ・厨ポケ)は、ある程度絞られてくるとは言え、何が出てくるか分からない、見せ合い無しのバトルリーグでは、SCPが高い個体(耐久寄りの個体)の方が汎用性が高いでしょう。
その際、SCPは「そこそこ高い」個体で大丈夫。
攻略サイトやスマホアプリで、個体値を計測するツールがあり、SCPの順位も判定できますよね。
順位は1位~4096位までありますが、下位順位でも全然OKです。
最初の例で述べた、ハイパーリーグに参加するギャラドスで再度考えてみます。
1番理想的な「ギャラドス」を使用したければ、「0-15-14」のコイキング/ギャラドスを厳選する必要があります。
こんな個体値をピンポイントに捕獲できますか?
まず無理ですよね?
しかも、「0-15-14」にこだわる必要はなく、実際のところ、「8-15-15」とかのギャラドスでも、全然戦えるわけです。
4,096通り(16の3乗)から、理想個体を厳選するのは、途方も無い時間が掛かります。適当な個体で対戦を始めましょう。
前述の通り、対戦経験が重要です。
手持ちの個体に応じた立ち回りが大事
自分の使っているポケモンの個体値を理解しておけば、それだけでOKだと思っています。
先の例で言うと、特殊個体(攻撃寄り)のチルタリスでない限り、マリルリに対面では勝てないので、別のポケモンに交代して戦えば良いのです。
もしくは、マリルリ側がダメージを負って、シールドも残ってない状況になってから、チルタリスをぶつけて「ゴッドバード」で倒す、とか。
つまり、自分の手持ちの個体に応じて、自分の立ち回りを考えることが重要です。
逆に、特殊個体を厳選すべき人
それでも、特殊個体を厳選すべき人は、どんな人か考えてみました。
厳選マニア
これはポケモン原作でも一定数居ましたが、単に厳選作業が好きな人です。
2006年に発売された「ダイヤモンド・パール(第四世代)」では、Wi-Fiによるネット対戦が可能になり、対戦人口が大きく増えました。
乱数調整が発見・普及する前は、こぞって卵の孵化作業に没頭していた記憶があります。
「ズイタウン」とその周辺(廃人ロード)を自転車で縦に往復する作業ですね。
ほとんどの人は、対戦で勝つために、強い個体を厳選していましたが、中には対戦しないけど何故か孵化厳選を行う人も居ました。
それは何故かというと
- 31-31-31-31-31-31(6V)
- 31-02-30-31-31-31-めざパ氷70
のような理想個体(数値の並び)を眺めて、ニヤニヤしている人。理想個体を求めて、厳選作業自体が好きな変態ですね。
多分、ポケモンGOでも同じことが言えて、厳選作業自体が好きな人も居るのではと思います。
対戦上級者(対戦狂)
それから、対戦上級者だったり、ひたすら対戦が好きな人、いわゆる対戦狂の人。
ゲーム内には見せ合い無しのバトルリーグ・フレンド対戦しかありませんが、有志による対戦会では、見せ合い有りのルール(6→3)もあります。
使用するパーティ(ポケモン6匹)を事前に登録し、お互い見せ合いしてから3匹を選出するため、出場するポケモン6匹を事前に把握できます。
その場合だと、特殊個体が有効なシーンがあります。少し考えてみましょう。
自分が「チルタリス」を採用していて、かつ、パーティ全体が「マリルリ」に弱いとします。
その状況で、相手が6匹内に「マリルリ」を登録している場合、少しでも「マリルリ」に強くするため、「特殊個体のチルタリス」を採用します。
後は、毎日バトルリーグに潜るような対戦好きで、流行が読める人とか。「マリルリ」が流行っているなら、「特殊個体のチルタリス」を使用するのは、有利になりそうですよね。
終わりに
ということで、特殊個体(ブレイク個体)に関する記事でした。
個人的には、現状の手持ちの中からSCPが高い個体を適当に強化して、使ってみるのが良いかと。
厳選にこだわり過ぎると、沼にハマり、いつまでも対戦せずに時間だけが過ぎて、何のための厳選か分からなくなります。
まずは、手持ちの「そこそこSCPが良い個体」で対戦を始めてみて、それでも特殊個体が欲しい場面があれば、そこから特殊個体を厳選しましょう。
それでは。